2011年9月アーカイブ

小さい頃、アメのラッピングの紙が大好きだった。綺麗にシワを伸ばして、宝物入れのオルゴールにしまい込んでいた。子供同士のパーティに使えると頑なに信じていた気がする。実際に使えたことは一回もなかったのだけど。お隣にとても綺麗な女の子が住んでいた。年は1つ彼女の方が下だったので、幼稚園には手をつないで歩いていったり、妹みたいで仲が良かった。よく私がやる事をマネする子だった。「お姉さん」ぶれて少しもイヤな気はしなかったのだけど、アメの包装紙を彼女の方がたくさんコレクションしてしまったので、私はつまらなくなり、キャンディーの紙集めに飽きた振りをしたと思う。
その女の子もお揃いで持っていたオルゴールにキャンディーのラッピングを綺麗に仕舞っていたので、彼女のお家に遊びにいく度に増えているラッピング紙コレクションをこっそり見ていた。もうちょっとで盗むところだったけど、食べてないキャンディーのラッピングなんて持っていたらお母さんにすぐバレてしまうので、やめておいて良かった。すぐ泣く女の子だったから、私が盗ったことに気付いたら泣かしちゃってたろうと思う。私と違って優しい子で、例えそんな「宝物盗難事件」があったとしても何も言わずにただ泣いている子だった。今は外国に住んでいるその女の子が年に2回くらい帰国してくる。
帰ってくると声ですぐにわかる。小さい頃から綺麗だったその子は、とても美しい女性になった。一緒にいるのが申し訳ない気がするくらい、華やかな雰囲気を漂わせている。再会の度に割りとドギマギしていたのだけど、何年か前に久しぶりに彼女の家にお呼ばれで行った時に発見したオルゴールを見て、ホッとして2人でずいぶん笑い、不思議がった。「どうしてこんな物、大事に大事にしてたんだろうねぇ」って開けたオルゴールの中に入っていたキャンディーの紙を一緒に見て、「これが1番お気に入りだった」などと話し、やっぱりまたオルゴールに仕舞った。
お揃いだったオルゴールは、私はまだ中学生にならない内に壊してしまってもう無いのだけど、彼女が帰国してくればまた見ることが出来る。ラッピングの紙は「取っておいてどうするの?」と聞いたら、いつか子供が出来たら見せるんだそうだ。私たちはその紙を使ってパーティを夢見ていたんだけれど、「パーティ」なんて一度も出来なかった。でももし彼女が子供を連れて帰国して来たら、こっそりと「これを集めるとパーティが出来るんだよ」と教えようと思う。優しい彼女は多分、少ししか怒らないだろうから。
製菓材料・ラッピングのコッタ